浜松聖星高校とUDC学校連携の紹介~UDC2025銀賞+実行委員会特別賞から深まる学びへ


浜松聖星高等学校 情報科主任
園川 香おり

1.本校の紹介と探究の背景
 静岡県西部地区唯一のカトリック・ミッションスクールである浜松聖星高等学校(以下、本校)は、校訓に「真理を学び 愛に生きよ 真理と愛こそ人生の光」、教育の重点には「心の教育」「国際教養教育」そして「理数(STEAM)教育」を掲げており、生徒たちが日々伸びやかに成長しています。2024年度より高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)に採択され、高校段階から情報や数学などの教育を重視し、ICTを活用した文理横断的・探究的な学びの強化が本校の中で一段と加速しました。

2.アーバンデータチャレンジ(UDC)2025の受賞
 2023年度から普通高校の新しい科目として始まった「情報II」とDXハイスクールの2つを融合し、本校では様々な取り組みを行っており、その中の1つとしてUDC2025へ挑戦し、賞をいただくことができました。

一般部門 銀賞+実行委員会特別賞
「通報しに行っちゃお!言っちゃお!~若者の社会参画の促進~」

 UDCは、地方自治体、企業、大学、市民活動組織などが協力し、データを活用して地域課題の解決に挑むコンテストです。
 この作品は浜松市の既存通報システムを拡張した「オープンデータ✕市民参画モデル」として若者世代の地域社会への関心と参画意識を高め、継続的なまちづくりを目指して、情報IIを選択する生徒たちが2年間を費やして実践した探究作品です。探求を支えてきた私は、生徒の取り組みによって全校生徒の意識の変化を感じ、高校生が市民(Civic)と技術(Technology)を組み合わせたシビックテックに取り組むことは、若年層が地域に興味を持って主体的に関わるきっかけになり、社会全体の未来に貢献する人材育成だと確信しました。この2年間の取り組みは、2026年も世代を引き継ぎ、現在も進行中です。そこで本校はUDC学校連携校となり、生徒のさらなる成長を応援することとしました。

3.UDC学校連携とは
 UDC学校連携とは、学生がサービスを受ける側ではなく、「まちの未来をつくる主体」として成長できる環境を、学校・地域・UDCが一体となって提供していく仕組みです。本校は浜松市の中心部と静岡大学情報学部のある浜松キャンパスのどちらにも距離が近く、これまでも積極的に地域連携に参加してきました。本年度はこの恵まれた環境を活かして世代を超えた取り組みをさらに加速する計画です。

4.関本先生の対面講座
 UDCは、東京大学の「シビックテック・デザイン創成寄付研究部門」とも連携しています。学校連携を通じて、シビックテックや地域課題解決に関する意識醸成をしていただくことができます。
 本年度は学校連携の取り組みとして、本校に2026年6月12日(金)に東京大学空間情報科学研究センター(CSiS)センター長の関本義秀先生をお迎えしCSiSの研究内容とデータが社会に与える影響を例に理系分野の社会貢献について90分の講座を行っていただくことができました。
 授業の冒頭でスマートフォンのGPSデータを使って東日本大震災時の人の流れを可視化した映像を見せていただき生徒は夢中になりました。全体の1%未満のデータであっても、「そこで何が起きているのか」が手に取るようにわかることから、データは「一部の専門家が扱う難しい数字」から、「社会課題を解決し、命を守る強力な武器」になることを確信していきました。


5.授業後の生徒の変化
 関本先生の授業が終わり、生徒から集めた感想には、

・都市計画は『行政や大人が決めるもの』から、『100年後の未来を長く生きる自分たち若者世代こそが関わるべきもの』へと意識が変わった。
・世界でまだ誰もやっていない、自分が興味を持ったことを研究して社会に貢献している姿に憧れる。自分の探究心を信じて突き進む大切さを学んだ。
・学校での理数分野の学びが、単なる机上の空論ではなく「実際の社会貢献に直結する実践的なスキル」なのだと気づいた。

 などがありました。

6.今後の展望
 今回のUDC学校連携講座が撒いてくださった種は、生徒たちの中でしっかりと根を張り、芽吹き始めています。現在は昨年度のシビックテックに加え、静岡県全域の3次元点群データ「VIRTUAL SHIZUOKA」や国土交通省の3D都市モデルオープンデータ「PLATEAU」などにも生徒たちの興味が広がって探究を始めています。生徒たちがデータを武器にどのような未来の街を創っていくのか、私自身とても楽しみです。

■本記事に関するお問い合わせ先
学校法人浜松海の星学院 浜松聖星高等学校
情報科 主任:園川香おり
E-mail:sonokawa-kaori@hamamatsu-seisei.jp

【アーバンデータチャレンジ2026 作品募集要領のお知らせ】
https://urbandata-challenge.jp/udc2026_entry

UDC学校連携に関するお問い合わせにつきましては、
アーバンデータチャレンジ事務局(udc-office@aigid.jp)までメールにてご連絡ください。

(2026年9月 ニュースレター掲載)

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