運用開始8年目を迎えた市民協働プラットフォーム「My City Report」


一般社団法人 社会基盤情報流通推進協議会
(My City Reportコンソーシアム事務局長)
松島 隆一

1.はじめに
 My City Report (以下、「MCR」)とは、住民がまちの「こまった」を発見した時、自治体に対しスマートフォンで気軽に投稿できるサービス「My City Report for citizens」と、これまで自治体が目視で行っていた道路の損傷確認業務をAIに置き換え、正確でスピーディな道路損傷検出ができるサービス「My City Report for road managers」の2つのサービスの総称です。2019年4月の運用開始以降、8年目に突入しました。
 MCRについては、本ニュースレター第46号(2024年11月発行)で、その基本機能等を紹介させていただきましたが、今回は、その後に追加された機能や、最近のトピックスなどを紹介させていただきます。

2.My City Reportコンソーシアムの現状
 MCRのサービスは、MCRの普及促進と参加地域・団体の課題解決を図ることを目的に設置された「My City Reportコンソーシアム(以下、「コンソーシアム」)」が運用しており、自治体はコンソーシアムに加入することでサービスを利用することができます。会員自治体の意見を聞きながら各サービスの機能向上が逐次図られており、多くの自治体の参加による割り勘効果と合わせ、効率的なサービス提供が行われています。令和8年9月1日現在、「コンソーシアム」の会員自治体数は、計33自治体(1都3県8特別区19市2村)となり、市民投稿機能の登録ユーザ数も3万人を超えるまでになりました(図1、図2参照)。

図1:会員自治体数(2026年9月1日現在)

図2:会員自治体数及び登録ユーザ数の推移(年度末現在。2026年度は8月19日 現在)

 また、コンソーシアムでは、毎年開催する総会・連絡会の機会に、会員自治体のMCR活用事例を共有していますが、2025年度からは、各自治体から提示された課題への対応等について、会員自治体有志と事務局が共に考える「自治体支援ワーキング」を開催しています。2025年度は、「大量投稿者への対応」をテーマに開催し、その検討結果を踏まえ、今年度中にアプリを改修する予定です。

3.市民協働投稿サービス(My City Report for citizens)
 住民がまちで見つけた道路の損傷や公園遊具の破損などの地域の「こまった」を、自らのスマートフォンの専用アプリ(2026年4月からブラウザ版のサービスも提供開始)で、写真と位置情報などを投稿することで、自治体と共有し、自治体と市民が協働して対応するためのサービスです。
 以下、前回の紹介以降に追加した主な機能と、最近のトピックス等について紹介します。

(1) 市民投稿の仕組み改善
・投稿者・会員自治体双方の負担を軽減するため、投稿者自身が回答の要・不要を選択できる機能を追加(2025年3月)
・専用アプリのインストールを必要としないブラウザ版MCRアプリを提供(2026年4月)

(2) 管理・運用の仕組み改善
・投稿場所の特定を容易にするためレポート詳細画面にGoogle Map参照機能を追加(2024年12月)
・投稿写真に人物等が含まれている場合のモザイク処理について、モザイク処理前後の画像差し替え機能を追加(2025年7月)

図3:モザイク処理前後の画像差し替え機能

(3) トピックス
・2026年8月千葉豪雨において内水氾濫が発生した千葉市では、災害後の情報収集のため、MCRのテーマレポートを用いて「道路上に散乱しているごみ」「被災車両情報」の提供を市民に呼びかけました。

図4:災害後の情報収集への活用


4.道路損傷検知サービス(for road managers)
 専用アプリをインストールしたスマートフォンを自動車のダッシュボードに設置し、パトロールすることにより、自動的に道路の損傷箇所を検出し、損傷画像とその位置情報をサーバにアップロードするサービスで「損傷検知」と「路面評価」の2つの機能を提供しています。
 以下、前回の紹介以降に追加した主な機能と、最近のトピックス等について紹介します。

(1) 損傷検知の仕組みの改善
・「路線評価」に損傷種類ごとの表示機能を追加(2025年2月)
・ポットホールや亀甲状ひび割れに加え、白線(区画線)・横断歩道の剥離を検知し剥離率を自動算出することで、剥離をレベル分けして表示可能に(2025年4月)

図5:白線・横断歩道の剥離検知

(2) 路面評価の仕組みの追加
 スマートフォンで取得した動画像と加速度データから、対象路線について、国が定める指標(ひび割れ率、IRI、MCI)に基づいた簡易的な路面性状評価を行う機能を追加しました。
 従来の路面性状調査と比べ、低コスト、高精度、簡便性、効率性の向上が図られます。

図6:路面評価機能

(3) トピックス
 ダッシュボード表示速度の抜本的な改善を図るため、システムの全面刷新を実施(2026年9月予定)

5.最後に〜自治体のみなさんに〜
 「My City Report」では、会員自治体の経験や叡智を集め、サービスの機能向上や普及促進を行っています。本稿を読んでいただいた自治体の皆さんも、ぜひコンソーシアムにご参加ください。皆さんのご経験や知識を「My City Report」に注ぎ込み、住民と自治体がAIを活用しながらタッグを組んだ住みやすいまちづくりを、ご一緒に進めていければと思います。
「My City Report」の取り組みにご興味のある方、導入を考えてみたいという方は、My City Reportコンソーシアム事務局までお気軽にご連絡ください。

■本件お問い合わせ先
My City Reportコンソーシアム事務局
Mail:mcr-info@aigid.jp

(2026年9月 ニュースレター掲載)

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