高知市における津波避難人流シミュレーション
高知市における津波避難人流シミュレーション
これは、南海トラフ巨大地震を想定した高知市における津波浸水の状況と、人々が津波を避けようと最寄りの避難所に避難する様子をシミュレーションした結果を可視化したものです。
【主な内容】
- 地震想定:南海トラフ巨大地震、午前9時に地震発生
- 地震発生までの高知市内の約4万人の行動をPTデータをもとに再現
- 地震後は、以下の避難行動モデルに沿って避難行動を開始
- 津波により、沿岸部から順に浸水
- 津波浸水により、人々の生存状況を判定
【避難行動モデル】
- 人は、津波接近もしくは時間経過により避難を開始する。
- 避難場所は、最寄りの避難所とする。
- 避難は、浸水のない最短経路で移動する。
- 浸水により避難経路がない場合は立ち往生する。
- 浸水(避難所:2m、その他:30cm)したものを死亡と判定する。
※避難割合、避難時刻と浸水深度については、以下の資料を参考に決定した。
(1)内閣府中央防災会議:
– 東日本大震災時の地震・津波避難に関する住民アンケート調査、2012
(2)内閣府南海トラフ巨大地震対策協議会:
– 南海トラフの巨大地震 建物被害・人的被害の被害想定項目及び手法の概要、2012
【交通シミュレーション】
- 移動手段が徒歩の場合は、道路ネットワーク上を時速5kmで移動させる。
- 移動手段が鉄道の場合は、鉄道ネットワーク上を時速70kmで移動させる。地震発生後は、鉄道の運行が停止したと仮定し、移動手段を徒歩に切り替える。
- 移動手段が自動車の場合は、以下の待ち行列方式 の移動モデルに従って移動させる。
-道路ネットワークの各リンクに待ち行列を配置する。
-待ち行列には、道路種別やレーン数に応じて排出可能な交通容量を設定する。
-自動車は、リンク上を道路種別ごとに設定した速度で走行した後、待ち行列に進入する。
-待ち行列からは、一定時間ごとに交通容量分の自動車を排出する。
-よって、リンク上を自動車が通過する時間は、リンク上の走行にかかった時間に待ち行列での待機時間を加算した値となる。
-自動車の経路は、上記のリンク上の通過時間を考慮し、最短時間で目的地に到着する経路を選択する。
【津波浸水モデル】
- 東北大学災害科学国際研究所越村俊一教授より3時間分の浸水データ(30秒毎10mメッシュ)を提供いただいものを使用した。
- 避難行動シミュレーションでは、処理の都合上、100mメッシュ(浸水値の平均)で集約したものを使用した。また、5cm未満は浸水域から除外した。
【使用データ】
- 人流データ:パーソントリップデータ(PTデータ)
– 平成9年高知都市圏人の流れデータセット
– 人の流れプロジェクト - 避難所データ
– LifeLine全国避難所データ
– 株式会社ゼンリンデータコム - 津波浸水データ
– 南海トラフ巨大地震を想定した津波浸水シミュレーションデータ
– 東北大学災害科学国際研究所越村俊一教授作成 - 道路ネットワークデータ
– 平成24年度版デジタル道路地図
– 一般社団法人日本デジタル道路地図協会 - 鉄道ネットワークデータ
– 国土数値情報(鉄道)を加工したもの
– 国土数値情報
【ベース地図】
【使用ツール】
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