公共交通のオープンデータ、もっと簡単に届けよう ~「GTFSデータリポジトリ」のご紹介~


一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会
榎本真美

 自治体や交通事業者の皆様、GISをお使いの皆様、こんな悩みはありませんか?

  • バス等のオープンデータを公開しているが、更新のたびにファイル差し替えや連絡作業に追われる
  • Googleマップや乗換検索アプリへのデータ掲載手続きが分かりにくい
  • 公共交通データをGISで可視化・分析したいが、どこから手をつければよいか分からない

 一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会(AIGID)では、GTFSデータの登録・公開を行えるサービス「GTFSデータリポジトリ」を提供しています。

図1:GTFSデータリポジトリ(https://gtfs-data.jp/

1.そもそも「GTFS」とは

 GTFS(General Transit Feed Specification)は、バスや鉄道など公共交通の路線・時刻表・運賃といった情報を、世界共通のルールで記述するデータ形式です。日本国内では、このGTFSを日本の実情に合わせて拡張したローカライズ仕様である「GTFS-JP」が、国土交通省の標準形式として採用されています。

 GTFS(GTFS-JP)データを整備・公開することで、Googleマップや乗換検索サービスへの経路情報掲載、バス停のデジタルサイネージ表示など、さまざまなサービスに一つのデータを使い回すことができます。

 なお、GTFS-JPの仕様は継続的に更新されており、国土交通省の地域交通DX推進プロジェクト「COMmmmONS(コモンズ)」の取り組みの一環として、2025年度には「GTFS-JPアップデート」が実施され、最新版として「公共交通運行情報標準データ仕様(GTFS-JP)v4 仕様書」が公開されています。データ整備をこれから始める方は、この最新仕様に沿った対応が推奨されます。

2.「GTFSデータリポジトリ」とは

 GTFSデータリポジトリは、一言でいうとGTFSデータの「倉庫」です。(一社) 日本バス情報協会協力のもと、AIGIDが開発・運営しています。

図2:GTFSデータリポジトリの画面イメージ

 このリポジトリにデータを登録することで、これまで個別に行っていた次のような作業が大きく簡素化されます。

(1) 固定URLで自動連携
 ダイヤ改正のたびにURLが変わる従来の配布方法とは異なり、GTFSデータリポジトリは固定URLでデータを配信します。Googleマップやサイネージ側で一度URLを設定すれば、その後の改正データは自動的に反映されます。

(2)「現行・予定・過去」データを自動管理
 乗換検索サービスには改正の2週間前に、Googleには1週間前に、サイネージには当日未明に——など、システムによってデータが必要なタイミングは異なります。GTFSデータリポジトリはこれらを時系列で保持し、改正日に合わせて自動的に切り替えます。

(3) 検証エラーを自動チェック&日本語で解説
 データ登録時に自動でGTFSの検証(Validation)が実行され、エラー内容は日本語でわかりやすく解説されます。専門知識がなくても、データの品質を確認しながら公開できます。

(4) 可視化や分析も簡単に
 公共交通計画策定支援ツール「LINKS Mobilys」を使えば、ブラウザ操作だけでリポジトリ上のデータを読み込み、行本数や到達圏、OD輸送量といった交通サービスの状況を地図・グラフ上で可視化できます。GISやデータ分析に馴染みのない方でも、データ収集・資料作成の負担軽減と、データに基づいた政策立案が可能です。

(5) 自治体・事業者間の共同管理も可能
 県・市区町村・交通事業者・データ整備会社など、複数の組織・アカウントで1つのデータを共同管理できる仕組みも備えています。

図3:公共交通計画策定支援ツール「LINKS Mobilys」のデータ分析イメージ

3.なぜこの仕組みが重要なのか

 GTFSデータリポジトリのような基盤が広がることで、全国の交通事業者等が経路検索サービス等に円滑にデータを掲載できるようになります。これは単なる業務効率化にとどまらず、地域住民や訪日客を含む観光客へのわかりやすい情報発信を推進することにもつながります。
 正確でリアルタイムな公共交通情報が届くことで、交通サービスの利便性を向上させ、「地域の足」「観光の足」の確保に貢献する——これがGTFSデータリポジトリの目指す姿です。

 すでにオープンデータを公開している自治体・事業者の方も、これから公開を検討されている方も、まずは仕組みを知ることから始めてみませんか。

■本件お問い合わせ先
詳しい導入方法やご相談は、お気軽にお問い合わせください。
gtfs-office@aigid.jp
https://gtfs-data.jp/

(2026年7月 ニュースレター掲載)

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