アーバンデータチャレンジ2024 開催報告

アーバンデータチャレンジ 2024実行委員会 事務局
植田 粋美
アーバンデータチャレンジ(以下、UDC)は、地方自治体を中心に公共データを活用し、地域課題の解決を目指す一般参加型コンテストです。年間を通じて開催されるイベントを含み、全国各地でのコミュニティ活動(アイデアソンやハッカソンなど)と、公募型の作品コンテストという二つのパートで構成されています。
今年度の1年間の活動を締めくくる公開最終審査会が、2025年3月8日(土)に開催されました。昨年同様、対面(東大駒場リサーチキャンパス)とオンラインのハイブリッド開催で実施し、対面・オンライン参加合わせて250人を超える参加者にご参加いただきました。
全国から応募された162作品から一次審査を通過したファイナリスト22作品(一般部門:17、ビジネス・プロフェッショナル部門:5)の作成者によるプレゼンテーションが実施され、イベントへの事前参加申込みを行った参加者によるオーディエンス投票を経て、各賞の受賞作品が決定されました。
全体の最優秀作品となる金賞には「ヒヤリハットから作成するバリアフリーマップ」(チーム名:新しい学校のLiDARズ)が選ばれました。これは、日本大学経済学部 田中ゼミの皆さんが大学のキャンパス内でヒヤリハット(日常的に危険だと思うところや不自由だと思うところ)を把握し、iPhone LiDAR・摩擦計を用いてバリア箇所を定量化した後、潜在的な危険を可視化したバリアフリーマップを作成したものです。アプリケーションの構築だけではなくデータに基づく分析も含め、大学内だけでなく公共施設にも展開できるソリューションであり、地域課題解決において実用性が高いことが評価されました。
ビジネス・プロフェッショナル部門の最優秀賞には「SAGAスマート街なかプロジェクトの議論支援システム群」(チーム名:ソシアノッター+白松研)が選ばれました。これは、ITを使って佐賀を発展させようということをテーマに、議論練習用の議論シミュレータ・対面議論の構造化システム・意見収集用インタビューbotの3つの柱で構成された議論を支援するシステムです。この議論支援システムを社会に実装し、誰もがまちづくりに参加できる社会の実現を目指すプロダクトであったことが高く評価されました。
最後に、UDCの各地域拠点に贈られる地域拠点賞については、活動で最も優れた地域拠点に送られる「ベスト地域拠点賞」を「埼玉ブロック」が受賞されました。これに伴い、次年度のUDC中間シンポジウムは2025年秋頃に埼玉県で開催されることとなります。
今年度の最終審査会の様子を収録したアーカイブ動画は、YouTubeにて公開しております。受賞作品のプレゼンテーションや受賞の瞬間の喜びが伝わる映像をぜひともご覧ください。
UDCは来年度も開催を予定しています。地域課題の解決に取り組む学校が増えていること、また、今年度の応募162作品のうち110作品が学生によるものであったことを踏まえ、「学校連携事業」を開始します。今後、シビックテックに関連する授業の実施やUDCに向けた開発実習の実施を検討し、学生が体系的に学べる機会の設計を共に進めていきたいと考えています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※全体イベントの情報はPeatixにてご案内しています。新着情報がお手元に届くよう、ぜひフォローください。
※全国各地のイベント情報は公式HPにて随時ご案内しています。
写真:最終審査会の様子
■アーバンデータチャレンジに関する情報
・公式HP:https://urbandata-challenge.jp/
・公式Facebookページ:https://www.facebook.com/urbandatachallenge/
■お問い合わせ
アーバンデータチャレンジ 事務局
udc-office(at) aigid.jp ※ (at) は @ に置き換えて下さい。
(2025年3月 ニュースレター掲載)