ゲームエンジンで実現するインタラクティブなGISアプリケーション開発

ESRIジャパン株式会社 プラットフォームプロダクトグループ
塩原 光貴
高精度な3Dの描画はGISでも数多く利用されています。そこで、特に3Dの描画に強いゲームエンジンを利用して様々な表現を行うことができます。本稿では、GISにおけるゲームエンジンの活用、連携する為の開発キット(SDK)とその活用事例をご紹介していきます。
1.ゲームエンジンとGIS
ゲームエンジンとは、ゲーム開発に必要なリソースが多数含まれている開発プラットフォームです。その機能の一つに、ハイパフォーマンスな3D表現があります。
GISでも3Dが多く用いられますが、ゲームエンジンのリソースを活用することでリアリスティックな表現が可能です。ゲームエンジンは、より没入感のあるコンテンツの作成に適したプラットフォームといえるでしょう。
図1:ゲームエンジンでの表現例
2.ArcGIS Maps SDKs for Game Engines
ArcGIS Maps SDKs for Game Enginesとは、ArcGISの機能の一部を利用できるようにゲームエンジンを拡張するプラグインです。これは、UnityとUnreal Engineというゲームエンジンに対応しています。
このプラグインを導入してAPIキーを使うと、ArcGIS上に登録されているG空間情報である「ArcGIS Living Atlas of the World」(以下、Living Atlas)や、自ら作成したデータにアクセスすることができます。アクセスしたデータは、ゲーム内の地図にレイヤーとして簡単に表示することができます。
図2:ArcGIS Maps SDKs for Game Engines開発画面
このプラグインを導入する最大のメリットは、地理情報を活用したXRアプリを実現できる点にあります。UnityとUnreal Engineは各種XRデバイスに対応している為、その開発にArcGISの地図やレイヤーを利用することができます。
図3:XRでの地図表現
※Living AtlasへのアクセスにはArcGIS Location Platform、またはArcGIS Onlineへの登録が必要です。
3.活用事例
図4:活用事例
実際の活用例として、Houseal Lavigne社(米国)がUnreal Engineを用いて開発した、都市開発提案の評価アプリをご紹介します。
このアプリでは、ArcGISのデータを参照しています。その為、住民の評価を取り入れたプランへの変更をすぐにアプリに反映することができ、データの変更に強い設計となっています。
Introducing ArcGIS Maps SDK for Unreal Engine (esri. com)
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(2024年11月 ニュースレター掲載)