CityGMLをもっと身近に簡単に(CityGML変換サービス始めます)

一般社団法人 社会基盤情報流通推進協議会 代表理事
東京大学空間情報科学研究センター センター長
関本 義秀
1.はじめに
「PLATEAU」や「3D都市モデル」とうキーワードは、皆様の周辺でも大分浸透してきたのではないでしょうか。PLATEAUは、国土交通省都市局が推進する“日本全国のデジタルツイン”を実現するプロジェクトです。2020年度にスタートし、多くの地方公共団体や民間企業・多様な研究者・エンジニア・クリエイターらが参加するプラットフォームとして、現在も成長を続けています。
図1:PLATEAUの目指すエコシステム
出典:測量イノベーション大会2024 ポスター展示資料より
PLATEAUや3D都市モデルの認知が進む一方で、これらが準拠するCityGMLフォーマット(=地理空間情報に特化したXMLフォーマット)のデータ形式の難しさも一般化しつつあります。PLATEAUは、再利用や流通、参加する企業・個人の積極参加を推進するために、国際標準であるCityGMLに準拠して整備・公開されています。国土交通省都市局では、CityGML準拠の3D都市モデル製品仕様書や作業手順書・ガイドラインなど、関連するドキュメントを余すことなく積極的に公開していますが、やや難易度が高いのが実情です。
図2:3D都市モデルの応用スキーマ、地物構成
出典:3D都市モデルデータの基本【2/4】
2.CityGML変換サービス
一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会(以降、「AIGID」という)・G空間情報センターでは、CityGMLを容易に利用したいというユーザーに向けて、3D都市モデル(CityGML形式)の作成を支援する「CityGML変換サービス」を開始することになりました(2024年10月リリース予定)。
図3:CityGML 変換ファイルイメージ
3.期待される効果とAIGID・G空間情報センターの役割
このCityGML変換サービスの提供により、CityGMLフォーマットの難易度だけが参入障壁となってしまっていた企業や個人・研究者が、デジタルツイン実現社会の第一線に参画できるきっかけとなることを期待しています。
PLATEAUやSociety5.0などが目指すデジタルツイン社会は、データを作ることが目的ではなく、作られたデータを使い豊かな経済社会を構築することが真の狙いです。地理空間情報活用推進基本法(平成十九年法律第六十三号)の第一条には、「現在及び将来の国民が安心して豊かな生活を営むことができる経済社会を実現する上で地理空間情報を高度に活用することを推進することが極めて重要である」と地理空間情報の活用の推進の重要性や理念が示されています。AIGID・G空間情報センターは、この理念を支える様々な仲介役を引き続き担っていく所存です。
4.今後の予定
2024年10月のリリースに向けて、事前に用意すべきデータやご利用の流れを解説する講習会を9月20日に開催予定です。また、この説明会の参加者から抽選でCityGML変換サービスを無料でお試しいただける無料モニターを募集します(変換数量等、サービス機能には一部制限があります)。ご興味ある方は、説明会への参加をご検討ください。
■関連Webサイト
・CityGML変換サービス特設サイト: https://www.plateau-citygml-convert.jp/
・9月20日開催 CityGML変換サービス説明会・無料モニター募集説明会
第1回(14時~): https://citygmlconvert2024091.peatix.com/
第2回(18時~): https://citygmlconvert2024092.peatix.com/
■問い合わせ先:
一般社団法人 社会基盤情報流通推進協議会 CityGML変換サービス担当 本間・中川
Email:plateau-citygml-convert@aigid.jp
https://www.plateau-citygml-convert.jp/
(2024年9月 ニュースレター掲載)