高精度3D空間情報による設備管理DXの推進

エヌ・ティ・ティ・インフラネット株式会社
Smart Infra推進部
GISビジネス部門 GISビジネス戦略担当課長 千葉 繁
エヌ・ティ・ティ・インフラネット(以下、当社)では、インフラ設備管理におけるDXを推進するソリューション事業を行っております。
今回は、高精度な位置基準を用いた、既存の設備情報の高精度位置化を図るソリューションについてご紹介させていただきます。
1.デジタルツインの発展と地理空間情報の高精度化
近年、デジタルツインという言葉をよく聞くようになりました。デジタルツインとは、現実空間に存在する膨大な情報をIoT等の技術により収集してデジタル空間上に再現した上で、AI等を活用してデータ分析し、アウトプットを現実世界に返す仕組みのことです。
カメラや気象状況をモニタリングするセンサー機器の高性能・高密度化、通信の高速・低遅延化、そして現実世界と同じ位置を表す高精度な位置情報のおかげで、現実世界の情報をリアルタイムかつ細密に伝達可能になりました。
2.デジタルツインにおけるインフラ設備管理
私共インフラ業界においても、設備管理分野において現実世界の情報を収集しAI等を活用する取り組みが進んでいます。代表的な例としては、MMS(モービルマッピングシステム)等で点群データを取得することで設備の点検を行い、その情報をAIで解析することで、設備のヘルスチェックを行っています。
この際、点群データの中から設備の情報を特定した上で、その設備に関する管理情報を一致させる必要があるのですが、この際に点群データの座標と、設備に管理情報の位置情報を用います。従って設備の管理情報についても高精度な位置情報を持っておく必要があります。
当社は、2022年度に東京23区および政令指定都市において、インフラ設備管理に特化した現実世界における位置基準情報「高精度3D空間情報」を整備しました。これは、道路の境界、マンホールなどの3次元位置情報を地図情報レベル500(1/500縮尺)相当で整備したものです。
この高精度3D空間情報を活用したサービスとして、既存の設備位置情報が格納されたGISデータを読み込み、設備位置情報の位置補正を効率的に行うソリューションを提供しております。
図1:NTTインフラネットが構築した「高精度3D空間情報」
3.今後の展開
当社では、設備管理情報の位置高精度化を行うソリューションをはじめ、設備管理DXに必要となる様々な機能をプラットフォームとしてまとめてご提供する、スマートインフラプラットフォーム構想(記事末尾に詳細情報へのリンクを掲載)を進めております。
図2:NTTインフラネットが取り組む地下埋設物に関するデータ基盤
スマートインフラプラットフォームでは、様々な設備の位置情報を高精度化するため、共通的な情報を取り扱うことや、各社の設備管理業務の共通化を図ることが可能となります。ライフライン企業様だけでなく、自治体様や不動産事業者様などライフライン情報と関わりがある業務をされている皆様と連携させていただければと考えております。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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(2023年5月 ニュースレター掲載)