法務省登記所備付地図データの変換データ提供について

G空間情報センター 副センター長
井上 陽介
令和5年1月に法務省より登記所備付地図データが公開されました。登記所備付地図データはXML形式で提供されているため、ダウンロードしたデータをそのまま地図表示できるアプリ・ソフトウエアは少ないため、閲覧するためのデータ変換等が必要となります。
皆様からはデータの取得、利用や閲覧などに多くのお問い合わせをいただいており、当センターとしても回答出来る範囲が限られますが、オンライン地図上で閲覧する方法例やGISソフトウェア上で閲覧・描画する方法例などを紹介しております。
加えて、当センターにおいても、GISで利用しやすいシェープファイル形式、GeoJSON形式に変換したデータ(以下、変換済みデータ)の提供を始めましたので、本記事ではその紹介をいたします。
1.法務省登記所備付地図データとは
不動産登記法(平成16年法律第123号)第14条第1項及び第4項に規定する地図及び地図に準ずる図面に係る電子データです。今回公開されている地図データは、当該データを加工するなどして利活用いただくことを目的とするものであり、法務局における証明機能を有するものではありません。
詳しくは法務省サイト(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00494.html)を参照ください。
法務省から提供されている地図データはこちらのページから入手できます。
2. 当センターによる変換済みデータの提供
法務省から提供されているダウンロードしたXMLデータを地図で描画するためには、データ変換作業が必要となります。データ変換作業は大変な作業量となること、皆様が各々で変換することは効率的でないことから、当センターにおいて既存のツールを利用した変換したデータを提供しています。
<変換済データの注意事項>
・法務省から提供されたデータを既存の変換ツールを利用して機械的に変換したものです。
・提供ファイル形式はGeoJOSON形式、シェープファイル形式です。
・公共座標系が付与されたデータのみを変換しています。公共座標が付与されていないデータは変換していません。
・法務省から提供されたデータの一部には、位置がずれているなど誤りのあるデータが存在しますが、当センターではデータ変換以外の加工修正は行っておりません。そのため、データの内容・品質は保証できません。
当センターから提供されている変換済みデータはこちらのページから入手できます。
3.登記所備付地図データを閲覧・利用する方法例
オンライン地図上で閲覧する方法例やGISソフトウェア上で閲覧・描画する方法例などは、当センターサイト内のFAQでご紹介しております。
4.利用上の留意点(よくあるお問い合わせ)
Q.法務省登記所備付地図データに誤りがある。
A.当センターでもデータの誤りや座標系が異なるなどの状況が存在することを把握しております。データの誤り等については当センターでは対応できかねますので法務省にご連絡ください。
Q.Zipファイルがダウンロードエラーになる、ファイル解凍時エラーになる。
A.当センターのお問い合わせより、該当のファイルが掲載されているページのURLと該当のファイル名をご連絡ください。
Q.変換ツールがうまく動作しない。エラーが生じる。
A.変換ツール等については当センターでは回答しかねます。個々の提供者にお問い合わせください。
Q. G空間情報センター提供の変換済みデータで提供されていない地域がある。
A. 当センターでは公共座標系が付与された図郭のみを変換しております。任意座標のデータについては、法務省が提供しているデータを活用ください。
Q. G空間情報センター提供の変換済みデータをGISで表示すると位置がずれている。
A.一部のデータには座標系など誤りなどにより、正しい位置に表示されないケースがあることを確認しております。しかしながら、法務省から提供されているデータを機械的にデータ変換したものを提供させていただいており、位置の補正等の修正は行っておりません。ご自身で加工、編集していただけますようお願いします。
最後に、当センターでは法務省の登記所備付地図データなどの提供データを利用しやすい形式に変換加工して提供する活動を引き続き取り組んでいきます。
(2023年5月 ニュースレター掲載)