イベント情報で未来を予測する


株式会社イベントバンク
代表取締役 福井 慶一郎



 マーケティングやリサーチのシーンにおいて、「いつ・どこに・どれだけの人が集まるのか」を予測することに関心をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

 株式会社イベントバンク(以下、「弊社」)は、2008年より、全国各地で開催されるお祭り・イベント情報を独自に収集しデータベース化しています。イベント情報は“人の集まり”の予定情報であり、位置情報(人流情報)、気象情報、SNSの投稿情報などと並ぶ、行動予測の精度向上に資するデータのひとつといえます。

1.コロナ禍におけるイベント開催状況
 お祭り・イベントは、2020年から始まるコロナ禍で大きな影響を受けました。この表は、2019年(コロナ以前)を基準に、月ごとのイベント数を比率(2019年比)で表したものです。




 2020年3月から急速に落ち込み、その後は、緊急事態宣言の発出・解除、「Go Toトラベル」ほか各種需要喚起キャンペーンの開始・停止などに連動する形で増減を繰り返しています。これは一例ですが、イベントの開催状況から、社会の動きや気分、トレンドといったさまざまな事象を読み取れる可能性があります。



 イベントの開催場所を地図にプロットして可視化し、他のデータと掛け合わせることでさらに立体的な情報となります。下記の図1は、ある年の夏に東京都内で行われたイベントをプロットし、集客規模を円の大きさで表現したものです。


図1:イベントの集客規模可視化の例



2.イベント情報の集約・配信プラットフォーム「EventBank プレス」
 「今日どこかで面白いイベントをやっていないか?」…誰でも一度は考えたことがあるでしょう。場所やジャンルを特定すれば、ネットで探すことは比較的容易ですが、これらを特定せず広く横断的に探索し、自分にフィットする情報を得るのは簡単ではありません。

イベントは下記のような点から集約することが難しい情報です。
 ・動的情報であり継続的な情報収集活動が必要
 ・主催者が多様なため情報収集が煩雑
 ・網羅性を上げるには多大な労力が必要
 ・情報が変更になる場合がある

 これらの課題を解決するために、弊社の独自プラットフォーム「EventBank プレス」では、約2万団体の主催者がイベント情報を直接登録する形でデータベース化。イベントの規模を問わず、全国各地の情報を蓄積・更新しています。データベース化された情報は、弊社が提携するメディアに配信・掲載。イベント主催者は、これらメディアを通して情報を広く告知することができます(無料)。この仕組みにより、年間数万件のイベント情報をデータベース化し、主催者とメディア、イベント参加者をつなぐプラットフォームとして、効率的な情報の流通を実現しています。


図2:「EventBank プレス」のサービスイメージ

 イベント情報の項目には、開催日時、会場位置(緯度経度)、想定動員数があり、「いつ・どこに・どれだけの人が集まるのか」が高い確度で予測できます。イベント情報は、地域の魅力を発信することはもちろん、未来予測のためのデータとして、下記のようなさまざまなビジネスや課題解決のために活用できます。

 ・資源やリソースの最適化(エネルギー、公共交通…)
 ・機会ロスや廃棄ロスの低減(仕入れ、在庫、人員配置…)
  ・混雑回避(迂回ルート・代替交通…)
・そのほか、需要予測、各種研究・分析…

 イベント情報は、さまざまなG空間情報と掛け合わせることにより、新たな発見や課題の解決につながります。データの活用、コラボレーションほか、他業種・他分野を含む多くの皆さま方との接点から、これまでにない価値を創造できればと考えています。



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■お問い合わせ先
 株式会社イベントバンク 担当:三村
 E-mail:mimura@eventbank.jp





(2022年11月ニュースレター掲載)