都市の三次元デジタルツイン環境を提供する「デジタルシティサービス」


(一社)社会基盤情報流通推進協議会
理事 岩崎秀司(㈱パスコ)



1.デジタルシティサービスの地方公共団体への普及
 一般社団法人 社会基盤情報流通推進協議会(以下、AIGID)では、スマートシティ等、昨今の都市全体の高度管理に対するニーズを受け、リアルタイムなデジタルツイン環境を提供する「デジタルシティサービス」(以下、本サービス)を2020年より提供しています。
 本サービスは、自治体の単位を基本とした各地域の多様なデータを、G空間情報センターと連動した形でWeb上で保管、管理するとともに、株式会社ゼンリンの提供するデータやProject PLATEAUで整備された3D地図上に公共施設・インフラ施設等の多様なデータの可視化等を一体的に行っていくものです。
 2021年度には、約25の地方公共団体が参加する「デジタルスマートシティ研究会」を開催し、意見等を伺いながら、サービス導入・運用に関わる価格設定等(詳細は「デジタルシティサービスの利用ページ」を参照ください)を行ってきました。
 2022年8月時点で、8団体に本サービスを利用いただいています。


図1 デジタルシティサービスの利用団体(https://www.digitalsmartcity.jp/links/



2.より良いサービスを目指して
 AIGIDでは、2022年度に、希望する自治体向けにサービスの試験運用を行いながら、実運用に向けて3Dマップの利活用方法や課題等を議論し、政策検討等へのデジタルツイン環境の有効活用に向けた方策等を整理しています。
 また、本サービスを利用している富山県南砺市や静岡県裾野市で、住民や地域の企業が参加し、デジタルで成り立つ地域の未来を考える会として「デジタル南砺・裾野の輪」を開催しています。
 裾野市では、地域の課題である「カーボンニュートラル」「公共交通」「富士山噴火」のワーキンググループを設置し、ボランティアや観光振興、農業など地域活動との連携強化を図りつつ、本サービスを活用した課題解決策を探る取組が進められています。
 このように、自治体職員や地域の方々の皆様の意見を聞きながら、より良いサービス構築を目指して研究会を随時開催しています。

 ・デジタル南砺の輪:https://www.digitalsmartcity.jp/nanto-city/
 ・デジタル裾野の輪:https://www.digitalsmartcity.jp/susono-city/
 ・静岡新聞(2022年7月3日付):https://www.at-s.com/sp/news/article/shizuoka/1088641.html


図2 オンライン会議によるデジタル裾野の輪の様子



3.デジタルシティサービスの展開
 本サービスは、自治体と住民や地域企業等とが地域課題を共有しながらその解決を図るために有効です。今後も引き続き、地域の施策検討等に効果的で利用しやすいサービスを目指します。
 本サービスの導入に興味のある自治体の方は、気軽にデジタルシティサービス事務局にお問い合わせください。


■お問い合わせ先
 デジタルシティサービス事務局(cpod-info@aigid.jp




(2022年9月号ニュースレター掲載)