空から命と未来を支える。航空事業本部が挑む、医療搬送の最前線と洋上風力発電への新展開
中日本航空株式会社
松下 季博
1.はじめに:空のプロフェッショナルとして
中日本航空株式会社 航空事業本部の松下です。
前回は、弊社調査測量部の千田より、三次元データ収集システム「MMS N-QUICK」についてご紹介させていただきました。今回は視点を変え、弊社の原点ともいえる「航空事業」の最前線についてお伝えいたします。
弊社は「空から社会に貢献する」という理念のもと、ヘリコプターやジェット機を駆使し、一刻を争う医療現場からエネルギーインフラの保守まで、多岐にわたるミッションを遂行しています。
2.救命の翼:ドクターヘリと航空医療搬送
現在、弊社が最も力を入れている分野の一つがドクターヘリ事業です。
迅速な初期治療の実現
救急医療において「黄金の時間(ゴールデンアワー)」と呼ばれる最初の1時間は、患者様の予後を大きく左右します。弊社のドクターヘリは、医療機器を装備し、医師・看護師が搭乗して現場へ直行。搬送中も高度な救急医療を継続することが可能です。

写真1:現場に向かうドクターヘリ
3.日本の医療格差に挑む「ドクタージェット事業」
さらに現在、弊社が新たな挑戦として力を入れているのが「ドクタージェット」です。これは小型ジェット機の機内を「空飛ぶ集中治療室(ICU)」とする取り組みです。
地域格差の解消
残念ながら日本の地域医療格差はまだ大きく、特に小児が高度医療を受けられる病院は太平洋側の都市部に集中しています。ドクタージェットはこの格差を埋め、全国どこにいても救える命を救う可能性を持っています。
かつてドクターヘリで救急医療に革新をもたらした弊社は、現在、ドクタージェットによる全国規模の長距離搬送を実現することで、地域による医療格差という壁を取り払い、日本の空から「救えるはずの命」をすべて救うための新たな挑戦を続けています。

写真2:ドクタージェットによる患者搬送の様子
4.未来への展望:洋上風力発電と航空輸送の融合
私たちは現在、これまでの航空運用の知見を活かし、持続可能な社会の実現に向けた新たな挑戦を始めています。それが、洋上風力発電メンテナンスにおけるヘリコプター輸送の事業化です。
なぜヘリコプターが必要なのか?
日本のグリーン成長を支える洋上風力発電の維持管理において、ヘリコプターによるホイスト運用は、船舶より迅速かつ天候に左右されにくい安全な人員搬送手段として、沖合メンテナンスの効率を飛躍的に高める可能性を秘めています。
2030年に向けた取り組み
弊社では、将来的にメンテナンス要員を風車へと安全かつ効率的に送り届ける体制を構築し、日本のエネルギーインフラの安定稼働を支えるパートナーを目指しています。

写真3:洋上風車へのホイスト運用
5.おわりに
中日本航空は、救急医療という「今、目の前の命」を守る活動から、再生可能エネルギーの保守という「未来の地球」を守る活動まで、常に挑戦を続けています。
航空機というツールと、長年培ってきた運航技術・安全管理体制。これらを組み合わせることで、G空間情報の利活用シーンにおいても、新たな価値を提供できると確信しています。
弊社の取り組みについて、より詳しく知りたい方はぜひ公式ウェブサイトをご覧ください。
中日本航空株式会社 公式サイト:https://www.nnk.co.jp
6.【編集後記】
測量分野で活躍するG空間情報の皆様にとって、航空機は「データを撮るためのプラットフォーム」という印象が強いかもしれません。しかし、その機体の中には、命を繋ぐ医師や、社会を支える技術者が乗っています。「人」を運び、想いをつなぐ。そんな航空事業の熱量を感じていただければ幸いです。
■本件お問い合わせ先
中日本航空株式会社 担当:松下
(Email:smatsu@nnk.co.jp)
(2026年2月 メールマガジン掲載)