自治体水防災を強化する「RisKma」と「みるわん」

株式会社 建設技術研究所
矢神卓也
1.自治体が直面する課題と建設技術研究所のソリューション
自治体が直面する水害リスクは激甚化・頻発化しており、限られた体制で状況を素早く把握し、住民の安全を守る仕組みづくりが求められています。建設技術研究所の「RisKma」と「みるわん」は、こうした課題に応えるG空間情報ソリューションであり、現場の職員の意思決定を総合的に支援しています。
2.RisKma:予測と広域監視を一元化する防災プラットフォーム
(サービスURL:https://www.riskma.net/ja/top)
RisKmaは、降雨予測、河川水位、内水リスク、監視カメラ画像などを地図上に一元表示する防災プラットフォームです。現在の状況だけでなく数時間先までの危険度を可視化できるため、局所的豪雨の発生時や、夜間の巡視が難しい場面でも、どこを優先的に確認すべきかを把握しやすい画面を提供しています。また、庁内の複数部署が同じ画面を共有することで、職員の体制判断や避難情報発表のタイミング等の意思決定を支援します。

図1:「RisKma」プラットフォーム画面例
3.みるわん:現場の“見えにくさ”を補うIoT観測パッケージ
(サービスURL:https://www.riskma.net/ja/enterprise)
みるわんは、カメラ・水位計・雨量計をパッケージ化したIoT監視観測システムです。電源や通信が確保しにくい小河川、側溝、道路冠水箇所などにも設置でき、1〜5分間隔で現地の画像と水位・雨量を取得できるのが特長です。RisKmaと連携することで、予測情報とリアルタイム観測を重ねて確認でき、「気づき・判断・行動」の一連のプロセスを効率化できます。巡視負担の軽減、夜間の安全確保、住民への的確な情報提供など、自治体の実務に直結した付加価値をもたらすソリューションです。

図2:IoT監視観測パッケージ「みるわん」
4.両システムの組み合わせが生む防災運用の高度化
両システムを組み合わせることで、平常時の予防保全から警戒体制の立ち上げ、災害発生時の状況把握、復旧段階での記録整理までを一つの流れとして支援できます。
現場感覚に即した地図表示とわかりやすい画面構成により、専門職だけでなく、経験の浅い職員でも迷わず使えることも大きな利点となっています。
■導入自治体
北海道苫小牧市、東京都八王子市、千葉県柏市など全国20以上の自治体で運用中
■本記事に関するお問い合わせ先
株式会社建設技術研究所 東京本社水システム部
矢神 卓也(yagami@ctie.co.jp)
(2025年12月 メールマガジン掲載)