手軽な三次元データ収集システム「MMS N-QUICK」のご紹介 / 中日本航空株式会社


中日本航空株式会社 調査測量事業本部
千田 良道

1.初め
 中日本航空株式会社(以下、当社)は、航空機や自動車を使用したモバイルマッピングに力をいれています。近年、老朽化するインフラ、少子高齢化による労働人口の減少、激甚化する減災などに対して、地理情報の三次元データ化とDX技術の活用が期待されています。
 しかしながら、モバイルマッピングは専門技術や高価な機材が必要で、三次元データの収集をあきらめている民間企業や地方公共団体も多くあります。そこで、より多くのユーザーの課題や目標を解決・実現するために、簡易な車載レーザ測量システム(以下、簡易MMS)を開発しました。

2.概要
 簡易MMSは、道路周辺の三次元データを効率的に収集するための、コンパクトで脱着可能な車載レーザ測量システム(Mobile Mapping System; MMS)です。従来のMMSが高価で専門技術が必要であった課題を解決し、「データ収集のハードルを引き下げ、インフラ管理や道路交通の課題解決に挑むユーザーの一歩を支援する」ことを目的としています。
 車のエンジンをかけてシステムを起動すると自動的に道路周辺を三次元データ(点群)やカメラ動画として取得できます。当社では、システムを販売やレンタル事業を中心に活動し、三次元データを収集する皆様を支援しています。

図1(左):機材の外観  図2(右):取得データの例

3.詳細
 簡易MMSを使用した代表的なサービスの事例を紹介します。

(1)セルフ測量を実現 「MMS N-QUICK レンタルサービス」

<特徴>
・MMS N-QUICKは、コンパクトで脱着可能な車載型レーザ測量システム(MMS:モービルマッピングシステム)であり、誰でも簡単に扱えるよう設計されています。
・MMS測量を行いたい建設・測量会社や、道路三次元データの利活用を検討している自治体、企業、研究機関などに対し、本システムを低価格(1日5万円)でレンタルしています。道路三次元データを必要とする団体が、自ら効率的にデータ収集を行うための手段となります。

図3:レンタル機材 [コンテナBOX(左)、センサーヘッド(中)、車両搭載例(右)]

図4:レンタルサービスの有効性

(2)パト車が走るだけ 「自治体主導のデジタルツイン」
<解決したい課題>

・管理道路が長く、目視による定性的な道路パトロールには限界がある。
・パトロール員の高齢化や人員不足もあり、パトロール体制が不十分になる。
・三次元データや映像を活用して効率化したい。
・厳しい財政状況であり独自にデータ収集や活用が進まない。

・パト車の屋根に取り付けたコンパクトな可搬型MMSで、公道の点群データ及び映像を取得する。日常の点検パトロールのついでに広範囲の三次元データが整備できる。
・取得データを解析することで、見落としの多い建築限界を侵す障害物の調査や管理施設の台帳整備を行うことができる。
・国が実施する道路管理のDXに対する様々な取り組みを自治体の道路で活用検討できる。

4.まとめ
 道路関連分野において、道路や設備の維持管理、交通の整備、路線の測量、自動運転技術の開発、災害対応、雪害対策、運送など、多くの分野で、業務の効率化や社会課題の解決のため、デジタル技術を用いた色々な取り組みが行われています。その取り組みを前に進めるには、新鮮で実情に合った三次元データの収集が必須であり、かつ安価に取得できる手段が求められています。
 だれもが、どこでも、簡単に三次元データを取得できる当社の「簡易MMS N-QUICK」はそれを実現するサービスになります。昨年度は弊社技術を活用した豊田市様の取り組みが「中部DX大賞 奨励賞」を受賞するなど、取り組みの成果が認められました。何かお困りごとやご不明点などございましたらお気軽にご連絡ください。

■お問合せ先
中日本航空株式会社 調査測量事業本部 技術開発プロジェクト
マネージャー 千田 良道
ysenda@nnk.co.jp
     
簡易MMSホームページ:
https://www.nnk.co.jp/research/technology/N-QUICK.html
NETIS:
https://www.nnk.co.jp/news/n_research/news240717.html

(2025年11月 メールマガジン掲載)

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