UDC2025中間シンポジウム開催地・埼玉から届ける、地域のチャレンジ

地域の課題解決に取り組む「アーバンデータチャレンジ(以下、UDC)」では、全国に設置された地域拠点が中心となり、住民参加型のデータ活用プロジェクトを推進しています。各拠点では、行政・市民・NPO・企業・学生など多様な関係者が連携し、地域に根ざした課題の発掘と解決に取り組んでいます。
今回は、2025年度中間シンポジウムの開催地となる埼玉拠点をご紹介します。
UDC埼玉拠点は、これまでの技術者や大学関係者が中心だった従来の活動を見直し、市民が主体となって参加できる「ちいさなデジタル相談室」などの取り組みを通じて、地域に根ざしたプロジェクトを次々に生み出しているのが特徴です。地域のNPOや自治会、行政などとも連携しながら、継続的かつ実践的な活動を展開しています。
シビックテックさいたま 共同代表
桑原 静
1.拠点の紹介・背景
埼玉県では、2014年に「Code for SAITAMA」が立ち上がり、埼玉県全域を対象にシビックテックの普及やイベント実施などを行ってきましたが、大学と技術者が中心で、テーマもGISやOpenStreetMapに寄ったものが多く、一般市民に開かれた活動があまりできていませんでした。
地域のNPOや自治会など、普段テクノロジーに馴染みのない人でも気軽に参加できる場をつくるために、新たな団体として「シビックテックさいたま」を有志で2020年に立ち上げました。以降、市民や行政などの課題を拾い上げ、市民や行政・NPO・エンジニアなど、課題解決に必要な人材を集め、チームを組んで解決するという取り組みを続けています。2020年からは、UDC埼玉拠点の事務局を担い、近隣の戸田市や和光市、草加市などのシビックテック活動団体と協力体制を築いています。
埼玉県は全国でも珍しい人口増加地域で、人口過密による防災・子育て・教育・医療など、都市部ならではの多岐にわたる課題が存在します。UDCは、それらの課題に向き合うための機会として、毎年できるだけ多くの作品応募を目指して取り組んでいます。

写真1:シビックテックさいたま主催イベントの様子
2.これまでの活動・イベント紹介
埼玉拠点では、シビックテックさいたま主催で毎月一回開催する「ちいさなデジタル相談室」に持ち込まれた市民の相談から、課題を洗い出し解決方法を集まった人たちで検討し、それをプロジェクト化するという手法を取っています。相談室には、一般市民だけでなく、地域のNPO団体・自治会役員・行政職員・市議会委員などさまざまな人が集まり、彼らの知識や人脈を使い、必要な資源を集めています。
昨年度UDC2024では、埼玉拠点として「UDC2024埼玉拠点キックオフ」イベントを実施ました。埼玉県和光市からは、こどもの居場所づくりの活動に関わるNPO法人や市民活動団体、和光市社会福祉協議会が応募した「こどもの居場所オープンデータ」が銀賞を受賞しました。さいたま市からも有志が「選挙活動の見える化」「公園データの活用」「高齢者向けの地域情報提供」などのテーマで応募しました。
また、行政担当者の協力のもと、自治体の持つオープンデータを利用したり、オープンになっていないデータを開示してもらったり、プロジェクトで集まったデータを行政にフィードバックするなど、オープンデータ活用を促進することにも注力しています。本年度もオープンデータ活用に関するイベントなどを実施したいと考えています。

写真2:毎月一回開催する「ちいさなデジタル相談室」の様子
3.中間シンポジウムに向けて
今までの活動が認められ、ベスト地域拠点賞受賞をいただいたことを大変光栄に感じています。中間シンポジウムでは、テーマを「市民参加型の防災・まちづくり」として、今までテクノロジーによる課題解決やデータ活用に関心のなかった人でも気軽に参加できるイベントにしたいと考えています。
埼玉県は、都道府県魅力度ランキングでは毎年全国下位です。しかし、観光スポットはあまりありませんが、多様な人材が豊富な地域でもあります。
どのようなデータをどのように活かしていけば”日々の暮らし”がより良いものになるのか、派手さはないけれど、原点に立ち帰れるような内容にしたいと思います。
UDC2025 中間シンポジウム開催!
日時:2025年10月25日(土)13:00~18:00
場所:埼玉県内(予定)
どなたでもご参加いただけますので、ぜひご来場ください。
イベント詳細は決定次第、UDC公式ページにてご案内いたします。
4.今後の展望・メッセージ
「応募することに意義がある」をモットーに、完成度を目指すよりも、多様な人たちがより多くUDCへ参加することに意味があると私たちは考えています。
華やかな事例や最新技術を使った取り組みはお伝えできないかもしれませんが、地味でありながらも着実に地域のステイクホルダーを巻き込むという手法については、お伝えできることがたくさんあります!
ぜひ全国から埼玉県での中間シンポジウムにお越しいただき、皆さんと情報交換ができたらうれしいです。
■本記事(またはUDC)に関するお問い合わせ先
UDC埼玉拠点事務局 シビックテックさいたま
https://www.civictechsaitama.com/
問い合わせ先: civictech.saitama@gmail.com
担当:太田、桑原
(2025年8月 メールマガジン掲載)