データとツールの垣根を越えろ! CrossPlatform GISViewer

地域の課題解決に貢献する作品を表彰する「アーバンデータチャレンジ(以下、UDC)」において、商用サービスや学術研究にスポットを当てる「ビジネス・プロフェッショナル部門」。UDC2023の受賞者チームのプロジェクトを前編後編にわけて皆様にご紹介いたします。
前編として今回、優秀賞を受賞したESRIジャパン株式会社の作品「CrossPlatform GISViewer」!社会課題解決のポイントや活用可能な分野について、ESRIジャパン株式会社様よりご寄稿いただきました。
優秀賞
プロジェクト名:データとツールの垣根を越えろ! CrossPlatform GISViewer
ESRIジャパン株式会社
佐藤 直人
1.プロジェクトの概要・特徴
本プロジェクトは、国土交通データプラットフォームなど様々な自治体から配信される地理空間データを利活用する際の課題にフォーカスしています。その課題は、組織や業務を越えた横断的な活用がしにくくなっていることです。
CrossPlatform GISViewer は、その課題を解決する一つの回答として国土交通データプラットフォームをベースとしたレイヤーを、マルチソース・マルチユースで利活用ができるWebアプリ(以下、本アプリ)です。本アプリは、国土交通省や各自治体のデータカタログサイトにアクセスし、複数の地図ライブラリでのデータの表示と空間的な検索を可能にします。
図:システム連携概要
2.本プロジェクトでの課題意識
近年、各自治体でオープンかつ有益な地理空間データが多数配信されています。しかし、それらは単体での活用にとどまることも多く、連携できていない実態があります。特に、配信媒体が異なることにより空間的な検索ができないこと、利用にあたり加工や変換が必要になることもあり、これらが横断的な利用への障壁となることが課題と考えました。また、それらのデータを表現するための地図ライブラリも多数輩出されていますが、ライブラリごとに利用できるデータに制限が課されてしまうこともあるため、配信元やデータ形式に囚われる必要のない基盤が必要と考えました。
そういった課題意識から、各配信基盤のデータを参照し、各種地図ライブラリで表示する機能を持つ 本アプリを開発しました。
3.CrossPlatform GISViewer の技術的要素について
本アプリは、地図ライブラリとして米国 Esri 社が提供する ArcGIS Maps SDK for JavaScript と日本国内でもユーザーが多いオープンソースの JavaScript ライブラリである Cesium JS 及び deck.gl (地図部分は MapLibre GL JS ) を利用しています。
地図上に描画されるデータは、国土交通データプラットフォームと連携したデータポータルサイトや、各自治体で公開されているオープンデータサイトのデータです。これらを標準規格であるGIS Webサービスを通じて利用可能とし、横断的な空間検索を実現しました。
本アプリは、Esriジャパン GitHub にてサンプルスクリプトを公開予定です(2024年4月下旬公開予定)。このサンプルスクリプトによって、横断的なデータの参照や空間検索を実現し、1つのライブラリに縛られないサービス開発を体験できます。地理空間データを横断的に取り扱うサービス開発の足掛かりとして CrossPlatform GISViewer をぜひご活用ください。
■お問い合わせ先
ESRIジャパン株式会社ホームページよりお問い合わせください
https://www.esrij.com/contact/
(2024年4月 メールマガジン掲載)